寛政年間、白河藩重臣だった三輪権右衛門が茶人であった父仙鼠のために茶室を建てようと
府内九番町にあった別邸内に、藩主松平定信公より拝領した茶室図面に基づいて建立されたと
伝えられている由緒ある茶室です。
定信公は南湖造成工事の折、たびたびこの茶室を訪れて茶を楽しんだと言われており
定信公が茶室の傍らにあったしだれ桜の美しさに目を見張り、茶筅に墨をつけ「垂桜」と揮毫した掛け軸や
茶室の名前の元となった「蘿月」と揮毫した水盥も現存しております(いずれも宝物館内所蔵)
なお、蘿月庵は松平家が桑名に移封される際に家臣常盤惟親に譲渡され、府内道場小路の屋敷内に
いったん移築された後、大正12年(1923年)に南湖神社創建を奉祝して寄贈され、南湖神社境内に
再び移築されております。
蘿月庵は現在でも茶会に使用されており、4月〜10月の第二日曜日に白河茶道連盟による月釜茶会が
開催されております。
*現在新型コロナウィルス感染防止のため、月釜茶会は中止しております。
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